紅麹の正しい知識
kamoshiでは紅麹は使用しておりませんが、「麹」と名の付く黄麹、白麹、黒麹を使っておりますので、なんとなく不安を覚えることもあると思います。
kamoshiで使っている麹は安全であることは十分承知なのですが、源麹研究所社長で医学博士の山元文晴さんのインスタより引用させて頂いたものを掲載させていただきます。
先日、紅麹サプリによる健康被害がありました。
そのニュースの中や製薬会社さんの問答の中で、
「麹について何も知らないんだな…」と
言える発言があり、居ても立っても
居られなくなりましたので投稿します。
1.紅麹と白麹・黄麹・黒麹は全くの別物です。
『麹』と名前がついているため、同じ種類だと
勘違いされることがありますが、紅麹だけは
まったく種類が違います。白麹·黄麹·黒麹は
アスペルギルス属、紅麹はモナスカス属の菌です。
例えば、同じ人間だとしても、日本人とアメリカ人で
髪の色や体格が違うといった違いがあるのと同じです。
さらに、元々一部の紅麹にはシトリニンという毒素を
出すものがいるが、日本の麹にはそのような毒素を
だすものはいないという事も周知の事実です。
そのくらい、紅麹と日本の麹は違うものなのです。
2.麹は元々カビです。
とある記者会見で企業の方が、
「製造の過程でカビが生えてしまいました」
と言っていましたが、元々麹はカビです。
カビを安全に作る事は難しいものです。
特に、私がやっているような麹の種を作る会社は、
その安全性を担保するために存在します。
『麹』というものは、穀物にカビを生やし、
それを有効活用しているものの総称です。
紅麹も安全なものは安全ですが、色々な種類が
あります。乳酸菌にLG-21とかR-1とか
あるようなものです。
なので、「麹」だから安全というわけではなく、
しっかりと管理された「白麹」·「黄麹」·「黒麹」が
安全なのです。
3.白麹・黄麹・黒麹はカビの仲間ですが、
毒を出さないから安全なのです。
ニュースなどで
「麹はアスペルギルス·フラバスと呼ばれる
カビから生まれている。
アスペルギルス·フラバスは毒を出すから、
麹も場合によっては毒を出す事がある。」
という記事を見かけます。
これも違います。以前はそのような事が
言われていましたが、2019年に東京工業大学の
山田先生が麹菌の遺伝子解析を行われました。
その結果、アスペルギルス·フラバスと麹菌は
遺伝子的に全く異なる事が示されています。
そして、日本で日常使われている麹は
数百年の歴史を持つ、全国の種麹屋や蔵元が
懇切丁寧に作っています。この麹菌が
「たまに」でも毒を出そうものなら
大問題ですが、そのような事は起きていません。
医学論文でも、白麹·黄麹·黒麹が人体に悪影響を
あたえたとする報告はありません
(厳密には、麹菌の胞子を吸う事による
好酸球性気管支炎の報告はありますが、
これは通常の麹製品では起こり得ません)。
まとめ:
日本の麹菌は安全で、かつ未だに解明されていない
多くの機能性をもつ日本の宝ともいえる菌です。
今回の事件で麹菌全体に対する間違った印象を
皆さんが持たれないことを切に願います。
kamoshiでは焼き菓子の店ではありますが、生菓子以上に衛生には気を配っております。麹に対する知識も常に勉強しております。ご安心してお召し上がりください。